亀ヶ岡石器時代遺跡・田小屋野貝塚

【亀ヶ岡石器時代遺跡・田小屋野貝塚】を
ぐるりめぐる

青森県つがる市文化財課の堀内和宏氏の写真

青森県つがる市
文化財課堀内 和宏

亀ヶ岡石器時代遺跡は海進期に形成された内湾である古十三湖に面した大規模な共同墓地です。台地上に多数の墓が見られ、墓域の周囲の低湿地には祭祀場としての捨て場が形成され、漆塗り土器や籃胎漆器、玉類などが多数見つかっています。なかでも国指定文化財の大型土偶「しゃこちゃん」は、1887年(明治20年)の出土以来その眼部の表現が「遮光器土偶」の名称の起こりとなったことで知られ、縄文時代、ひいては日本列島の歴史そのものを象徴する考古資料です。田小屋野貝塚は、亀ヶ岡石器時代遺跡からわずか300mほど北の台地上に位置し、貝塚を伴う集落跡です。貝塚からはヤマトシジミを主体に、クジラ・イルカの骨を加工した骨角器、ベンケイガイ製貝輪の未製品なども多数出土し、内湾地域における生業の様子と共に、津軽海峡を超えた縄文時代の交流の存在を示しています。つがる市は2024年3月にこれら2つの史跡の整備基本計画を策定し、着実に整備を進めています。2028年には亀ヶ岡石器時代遺跡の現地整備が完了し、2029年には2つの資産のガイダンス施設もオープン予定です。

ガイダンス施設ではこれらの遺跡の出土遺物を集約して展示すると共に、発掘調査で見つかった土坑墓や竪穴建物、土坑墓などの遺構について、遺構断面の剥ぎ取りや各種の模型などを展示することで、遺跡現地の見学のみでは分かりにくい情報をお客様に提供する考えです。史跡整備の完了まで年数がかかりますが、それまでボランティアガイドつがる縄文遺跡案内人が縄文遺跡案内所で来訪者の皆様をお迎えいたします。案内人のガイド解説を聞くことで、地中に埋もれた遺跡の特徴や過去の発掘調査成果などの情報を知ることが出来ます。4月半ばから11月末日まで毎日10時から15時まで個人の方は予約不要です。JR五所川原駅から亀ヶ岡バス停までは路線バスで35分、車でしたら斜陽館や津軽三味線開館のある金木地区からも16km、20分程度の距離にあります。北に向かえば、千本鳥居で有名な高山稲荷神社も10kmほどです。ぜひ、つがる市の亀ヶ岡石器時代遺跡と田小屋野貝塚へ足をお運び下さい。

亀ヶ岡石器時代遺跡、国指定文化財の大型土偶「しゃこちゃん」のフェイスタオル
亀ヶ岡石器時代遺跡から出土した国指定文化財の大型土偶の全体写真

亀ヶ岡石器時代遺跡・田小屋野貝塚への
行き方

ゾーンBでは青森市内から弘前にかけてのエリアで、大平山元遺跡(青森県外ヶ浜町)→つがる市に隣接する田小屋野貝塚と亀ヶ岡石器時代遺跡(→弘前市の大森勝山遺跡)を概ね「定住の開始→発展→成熟」という時系列で体験できます。
車による移動がお勧めですが、青森市から弘前市・つがる市へはJRでも便利に移動できます(リゾートしらかみ号など)。また周辺の見所として白神山地のほか、道すがらには五所川原市金木の太宰治「斜陽館」や津軽三味線会館などがあります。
JRのゲートとなるのは木造駅。亀ヶ岡やつがる市街へのバスは五所川原駅経由で運行されており、青森・弘前市以外に同市内を宿泊場所に想定することもできます。

  • 特急列車の車内。オレンジ色の座席と整然と並ぶ通路が快適な空間を演出しています。
  • 列車内のカウンター席と景色を楽しめる窓。リラックスしながら景観を堪能できるデザインが特徴です。
  • 田園風景を背景にした列車内のテーブル席。明るいオレンジ色の座席が居心地の良い空間を提供しています。
  • JR五能線・木造駅にある大型土偶「しゃこちゃん」の巨大なモニュメント。目から7色の光を放って列車の到着を知らせます。
亀ヶ岡石器時代遺跡・田小屋野貝塚 地図

亀ヶ岡石器時代遺跡・田小屋野貝塚に
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