大森勝山遺跡

【大森勝山遺跡】をぐるりめぐる

青森県弘前市文化財課の東海林心氏の写真

青森県弘前市
文化財課東海林 心

大森勝山遺跡は、約3,000年前の縄文時代の終わり頃(晩期)の環状列石(ストーンサークル)がある祭祀遺跡で、全国で唯一当該期の環状列石の内容がわかる遺跡です。弘前と言えば…リンゴ、(弘前城の)桜、岩木山が真っ先に挙がる方も多いはず。そこに、2021年、世界遺産という魅力が追加されました。それは、北海道・北東北の縄文遺跡群の構成資産の1つである史跡大森勝山遺跡です。台地にのぼると環状列石の向こうに岩木山がそびえ、遺跡に四季折々の彩りを添えてくれます。また、遺跡の南北には環状列石の石材供給源である大森川と大石川が流れており、川のせせらぎを聞くことができます。現在見られる環状列石は復元したもので、遺跡保護のため埋め戻した実物の直上に実物大で表示しています。この復元は、同じ石材で、大きさ、色合い、角ばり具合等が似たものを川から採取して同じ位置に忠実に再現しています。このためロープや柵で囲う必要がなく、直に触れることも可能です。このように大森勝山遺跡は、目や耳で楽しみ、直に触れて体感できる遺跡となっています。ちなみに、大森勝山遺跡のガイダンス施設は2026年4月のオープンを目指して現在整備中です。なお、冬至の日には環状列石から岩木山を眺めると、岩木山山頂に沈む夕日を見ることができるとされており、市では実際にその光景を写真に収めることができました。

縄文時代の人々も同じような景色を楽しんでいたのかもしれません。縄文時代の人々にも岩木山信仰があったのかも…?!岩木山は、五穀豊穣、家内安全を祈願する「お山参詣」という行事が行われるなど、現在も市民にとって大切な存在です。遺跡から車で約20分ほど南に位置する岩木山神社は岩木山を御神体とする神社であり、江戸時代から大切に庇護されてきました。建造物は重要文化財に指定されています。この神社周辺には百沢温泉郷などの温泉施設が多く、旅の疲れの癒しにうってつけです。大森勝山遺跡を見た後は、岩木山神社や同じく重要文化財指定されている高照神社、弘前藩ゆかりの品々を展示する高岡の森弘前藩歴史館等文化財を巡っていただき、温泉につかって疲れを癒すというコースもいかがでしょうか?

縄文時代の人々と同じように景色を楽しんでいただけます
冬至の日に岩木山山頂に沈む夕日

大森勝山遺跡について知る

大森勝山遺跡への行き方

車であれば大平山元遺跡→田小屋野遺跡(亀ヶ岡石器時代遺跡)を経て、大森勝山遺跡に入るのは大変便利。公共交通機関の場合はJR弘前駅から鰺ヶ沢方面バス赤倉神社登山口で下車で徒歩60分。

  • 大森勝山遺跡の環状列石と背景に見える自然
  • 大森勝山遺跡への歩道と背景の山々
  • 大森勝山遺跡の看板と案内情報
  • 大森勝山遺跡で見つかる石と遺物の一部
大森勝山遺跡 地図

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イメージ動画

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